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2年理数探究コース 国内研修

2年理数探究コースは令和6年3月13日(水)~15日(木)の2泊3日で、つくば方面へ国内研修へ行ってきました。

生徒の感想です。

SRH 国内研修レポート
◎筑波大学模擬抗議:斎藤環先生
筑波大学での齋藤環先生による模擬講義では、先生が行っている心理学を通した社会分析や新たな治療法であるオープンダイアローグについてのお話を聞いた。「大学の権威」による発信力を有効活用して考えを伝えることの重要さが分かった。
◎高エネルギー加速器研究機構
様々な分野の技術から作られた加速器についての説明を聞いたり実際の設備を見学したりしてきた。陽電子や素粒子という知らなかった粒子の存在や、機械をより省エネで、より効率良く、安全に稼働させている仕組みなどを学んだ。考えた実験を実現させるための努力や工夫が詰まっていて驚いたが、まだこれからも進化し続けることに更に驚いた。
◎理化学研究所 BRC
理化学研究所は国内唯一の自然科学の総合研究所であり、世界中に実験で使うリソースを提供している。世界中の大学や研究機関が発見した素材をBRC が代わりに生産し、研究機関などに提供することで研究者がリソースの管理・提供業務から解放され、自分の研究に時間を使うことができるという仕組みだそうだ。
植物体と植物体を部分的に切り出して無菌状態で増やした植物培養細胞では、生育期間や保存可能な期間が異なり、培養細胞の中でも寒天培地で育てるカルスとは違い、液体培地で育てる懸濁培養では酸素供給のための攪拌が必要になるなど、それぞれの状態に合った保存方法があることが分かった。
同じカルス細胞でも、初期は可塑性を持つため分化能があるが、時間がたつと固定され、分化能がなくなり、違いが生じる。
他にも、植物体は多様な細胞を含み、個体や器官レベルの実験に使用されるのに対し、培養細胞は植物体のどの細胞とも違う均一な細胞によって構成されているため、細胞自体の実験に用いられるなど、使用方法も異なる。
また、BRC による実験では、観察しやすい種類 タバコBY 2 など を用いたり、緑色蛍光タンパク質 GFP によって生きた細胞での観察を可能にしたりすることで、細胞内構造を可視化し、それにより生産された物質が化粧品や薬などとして実用化している。
◎まとめ
今回の研修に参加して、自分の興味関心があることを深めるだけでなく、視野を広げることができた。物理に関する施設が多かったが、生物選択だから分からない、と諦めないことで新しいことを学べることの楽しさを感じられた。これからも、自分の力の限界や興味の幅を決めつけずに、様々なことを学んでいきたい。

SRH国内研修in 筑波
◯筑波大学模擬講義:斎藤環先生
この講義では、精神病とメンタルケアについて多く学んだ。その中で、統合型失調症のケア技法として、「Open Dialogue 」という手法について知った。この技法は、薬や入院を必要とせず、対話のみで患者を治療する。私は、この技法の説明の中で、無理やり説得しないという大前提に大きく共感した。他にも、オンラインで医療スタッフと会話できるリモート対話実践プログラムなどあり、多くの治療方法があることに衝撃を受けた。
◯高エネルギー加速器研究機構(KEK)
筑波実験棟では、人の身長の何十倍もある機械を見て、その上でその内部構造について学んだ。陽電子と電子をぶつけて生じるB 中間子やその他のより軽い粒子を、データによって検出する技術に感銘を受けた。放射光実験施設では、X 線よりエネルギーの高い放射光を作り出す機械の仕組みについて分かった。他にも霧箱で放射線を実際に見る実験などもあり、興味がそそられた。
◯JICA 筑波
JICA( Japan International Cooperation Agency)では、国際協力について、世界と日本の現状について学んだ。まず発展途上国が全体の74%もあることを全く知らなかった。発展途上国では、貧しいがゆえに教育が受けられず、読み書きができないため、職につくことができないという負のスパイラルが起こっていることに恐怖を感じた。また、それを解消するためにJICA が技術を教えて、インフラを整備しており、これからもこのような国際協力の輪が広がっていくだろうと思った。
◯まとめ
今回の研修によって、私はより多角的に世界に視野を向けることができた。これを忘れずに、これからの学習活動や行事に努めていきたい。

SRH国内研修の感想と得られたこと −来年度への期待 −
・筑波大学模擬講義 斎藤環先生
今回の研修では環先生の貴重なお話を聞くことができまし た。先生の研究していた学問は馴染みがないものではありましたが 、対話の可能性について等深く知ることができ ました。また、先生の経歴から学べることも 多くあり 貴重な時間でした。
・高エネルギー加速器研究機構〈KEK〉
電子と陽電子を衝突させ 、そこから さまざまな 原理の解明が行われていることを知りました。 原子等の説明もイラストや簡易的な実験でよりわかりやすく、初めて知ることばかりにも関わらず、理解することができました。研究職の方がどのようなところでどのような活動をしているのかが今まではあまりわかっていなかったため、職業としても知ることができて今後に繋が ったと感じました 。
・サイバーダインスタジオ
ここでは現在運用されているロボットの 現状や今後について知ることができました。 私が将来やりたいと思っていることと近しいことだったため、とてもためになりました。 将来、現在よりも多くの場面で使用されることが予想される「人を手助けするロボット」ですが、その可能性や 課題を知ることで私のやりたいことが具体的に想像できたところも今回の体験で 良かったところだと思います。
・まとめ
今回の研修では、普段の生活ではなかなか体験できないことができたり、 今後の人生に有益な情報が得られたりしたとても充実した研修でした。 私個人としてはやはり、サイバーダインスタジオでの体験がなりたい職業に近しい部分が多かったため、大変ためになりました。 研修中は自由行動も多かったため、三高生として恥ずかしくないような行動を取り、 傾聴 を心がけ、 やり切ることができました。将来は更に自分の興味のある学問分野について研究を深め、今度は自分からそれに関連した研究地への見学をしてみたいと思います。
・来年研修へ行く皆さんへ
この経験は自分が思っている以上に 自分 のためになる研修となると思います。楽しみな研修場所や興味の薄いところもあるかとは思いますが、各場所で楽しめることが違って楽しみつつ勉強にもなるため、ぜひ事前にたくさん調べて実りある研修にしてください 。